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鳥人間コンテスト2025を振り返ってver.芝田

 QX-25で設計と尾翼班長を務めました,B4の芝田です.今年もたくさんの応援とご支援のおかげで琵琶湖で飛行機を飛ばすことができました.本当にありがとうございます.
 この振り返りは帰宅して気絶する前に書いています.こういうのは鮮度が大事なので多少文章がおかしくてもお許しください.

フライト

 23,24とフライトチームだったので初めての湖岸泊でした.全然寝られませんでした.当日は3時頃起床して脚蓋電装試験に混ざって尾翼の操舵を動かしてもらい,しっかりラダーとエレベーターの向きがあってることを確認しました.
 5時ごろから移動を開始し,途中でトリムとって転回場付近までたどり着きました.
 この時,準備していた尾翼箱および機体の一部(エスレンパーツ)が行方不明になりめっっっっちゃ探していました.結局ギリギリで見つかったのですが,QX-24の元代表さんが落とし物だと思い本部に届けてたらしいです.よかったよかった(なにしてんねん).
 桟橋を渡っているときに,水平と舵面の間にウエスを挟んでいたことを思い出しましたが時すでに遅し,帰らぬウエスとなってしまいました.

 プラホに上るまではしばらくテールを持っていましたが,よきところで交代しパイロットとフライトプランの最終確認を行いました.風の状況とゲートオープンおじさんの助言でプラホに対するピッチ角0° でまっすぐ発進させることに決めました.この時にラダーは切らないことでパイロットと合意しました.
 フライトチームに最終のフライトプランを伝え,テール持ちには脚が出るまで持っとけと伝えました.(テール持ちはノボルトでバイトしており,10mの高さは平気なようでした.)
 Pが待機姿勢をとってすぐにトランシーバーの確認をするべく頭上げの指示を出しました.ほぼ遅延なくエレベーターが適切な方向へ切られたのを確認しました.
 緊張するかなと思っていましたが,テール持ちに比べたら全然ましでした.発進後のピッチの指示で頭がいっぱいでした.

 ゲートオープンしパイロットのOK,テール持ちの3,2,1,Goの合図とほぼ同時に飛び出しました.直後に頭上がった!と思いエレベーターダウンの指示を出そうと思いましたが,すでにダウンが切られていたので何も指示はしませんでした.

 5秒ほど飛んだところで定常に入ったと確信し,そこからは指示を出す気はありませんでした.テール持ちの横に行き一緒に叫んでました.
 フライト後テール持ちが安心して泣いてるのを見て去年の自分の再現かと思いました.やっぱ一番最初に来る感情は「安心した」だよなあ.

 結果出て最初の感情は「まじか,,,」でした.機体の性能が悪かったかぁ,とも思いました.冷静になって無風で450mのポテンシャルがあることがわかり少し安心しました.
 今後は本気でラダーと上反角の大きさを考えなきゃなと感じたフライトでした.まぁ後輩に託して突っ込んでもよさそうなところは首突っ込みます.
 目指せ,正統派老害.

設計

 設計としては知識・経験のないパイロットでも安定して400m代の記録を出せる機体設計を心がけていました.変なことをしなければ常に450mは飛ぶチームだと思っていたので,何でもかんでも変えずに,ポイントを絞って設計しました.具体的には,発進から定常に移るフェーズの難易度を下げるために

・水平尾翼容積比を大きくして初期のピッチ操作はエレベーターでする
・テール長さを去年から200mm伸ばしてテール持ちに猶予を与える
・翼型の失速特性を上げて発進直後の頭上げ→翼端失速を遅らせる
・Re数には目をつぶる(ほんとは機速11.5m/sコード長1200mmくらいにしたかった)

ということを意識して設計していました.とはいってもこのままでは性能が下がるため,アスペクト比を大きめにしました.その結果誕生したのが4番です.

フライト後です.ご安心を.

結果的には正対風1~2m/sの中で49秒フライトしてあの結果だったので飛行機としてはよく飛んだと思います.記録については正直悔しいです.記録が出た瞬間プラホ上で思わずため息が漏れていました.前のチームのフライトを見てフライトプランに反映できなかった点が最大の落ち度だと思っています.

尾翼

 人数構成は4年生1人,3年生1人,2年生5人でした.自分は一度集中すると周りが見えなくなるタイプなので,下級生にはだいぶ迷惑をかけたと思います.途中までは仕事を振る技量がなく,「先輩が何かの作業やってるけど何してんだろ」な状態だったと思います.尾翼のロールアウトが見えだしてからやっと全体を俯瞰して見ることができるようになり,班員に気を配って仕事を振ることができるようになったのではないでしょうか.

 後輩には1年を通して,自分で考えて作業するということを学ばせたつもりです.バルサ飛行機を通して尾翼の必要性や重要性,機体の構造や力の伝わり方を考えさせ,思考する癖をつけることができたと思います.


 こういうのでいいんです.「先輩がやってるから絶対」じゃなくて「もっとこうしたらいいんじゃないですか?」みたいな雰囲気を尾翼に作ることができたのでそれで満足です.

 QX-26尾翼班はすでに試作の案もいくつか出ており,後輩たちのモチベも高く,さらに一年生も参加できる班づくりをしようとしてくれているので安心です.いい雰囲気の班になると思います.

最後に

 QX-25は後輩の力があったからこそ完成させることができました.さすがに同期が最終的に自分含め4人になった時は,自分が辞めたらQX-25は終わるんだろうなと思いました.しかし,「でも後輩強いから26以降は安心だよなあ」と考えてました.
 数えきれないほど後輩には助けられてきたので,QX-26でも「あいつ全然来ないよな」とはならないように積極的に作業場に行こうと思います.

 目指せ,正統派(ry

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