尾翼試験を無事終了し,一連のツイートの準備に1時間,ツイートするのに30分かかりました.沖本です
少し遅れましたが飛行試験の振り返りを報告します
タイムスケジュール
〈日時〉
11/16(土) 4:30~10:00
※天候が急変し飛行試験実施が困難な場合には速やかに撤収作業に移る
〈日程〉
4:30 作業場集合
部車に荷物を積み込み、グラウンドへ
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5:00 0胴組み立て、尾翼電装作業開始
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6:00主翼、カウル取り付け開始
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7:00~7:30 朝食休憩
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7:30トリム取り開始
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8:00 飛行試験開始
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9:10 撤収開始
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10:00 撤収完了
今回の目的
今回のTFでは,土嚢15㎏を載せてトーイングの練習を行った.
トーイング自体はQX-19の秋TFでも行ったが,時間の都合上数本しか走ることができていなかった
第3回の総評
今回は南東方向から風速0mの風が吹いていた(吹いていなかった)
土嚢15㎏を載せた状態で必要な対気速度は
- 全機迎角0度:7.250m/s
- 全機迎角2度:6.600m/s
- 全機迎角4度:6.150m/s
と計算していたので,今回は全機迎角を4度に設定して試験を行った
前回までのトーイングによって,注意すべき点がいくつかあった
- 機体と同じ高さまで紐を持ち上げて引っ張る←下に引っ張ってしまうと翼持ちが押しつぶされてしまう
- ひもの長さはできるだけ長くする←上と同じ理由で,ひもが長ければ長いほど地面に対して平行にひもを引っ張りやすくなる
- カウルの両側に紐を取り付け,同じ速さで引っ張る
- 機体が浮くとテール持ちがテールに届かなくなるので,棒などを使ってテールを操作する
今回のトーイングではこれらのことを意識して試験を行った
また,今回の飛行試験では風が全く吹いていなかったので横風にあおられて機体がバンクしたり,急にピッチが上がる心配がなかったことも非常に良かった点である
最初の1本目はジョグを行った.機体の進行方向とトーイングの進行方向にずれがあったので修正した
2本目~3本目で徐々に走る速度を上げていった.この時点で機体は浮き始めていた
狙い通り無風でも機体を浮かせられることがわかったので,そこからは慎重かつ大胆に機体を浮かせていくことにした
トラ紐は基本引っ張らず,テール持ち,もしくは代表が機体がバンクしたときのみ大声で「バンク!」と叫び,そのときのみ持ち上がったほうの翼端のトラ紐を引くことにした(結局この日機体がバンクすることはなかったが)
走る距離も最初の30mから徐々に伸ばして50mまで行ったが,あまりに浮きすぎてしまい危険なので40mに落ち着いた
代表が「減速」の指示を出し,トーイングをやめると機体が地面に突っ込み始めることがわかったので,減速の指示の後も翼持ちはひもを引っ張らず(翼持ちがひもを引っ張ると相対的に機首が下がり速度が上がる),テール持ちがフレアを打ちながら速度を調節することにした
結果としてトーイングの試験は大成功と言っていいが,今回の成功は秋に3回ものTFを行ったことによる練習のたまものであることを決して忘れてはいけない
QX-20の飛行試験に向けて
今回のトーイングの成功によって,無風でも土嚢15㎏なら十分に機体を浮かして試験ができることがわかった
これにより無風の風待ちがなくなるので今まで以上にスムーズに試験を行うことができるようになる
しかし,実際にパイロットを載せて実機でトーイングを行うかどうかはこれから議論していく必要がある
もちろんパイロットが乗った状態でトーイングができれば琵琶湖でのフライトにかなり近い状態を再現でき,非常に重要な練習になる
しかしそのためにはバンクやあおられる心配のない気象条件,具体的には”常に同じ方向から穏やかな風が吹き続ける”という条件が必要になる(今回のような無風ではさすがにパイロットが搭乗した機体は浮かない)
もし無理をしてパイロットが乗った状態でトーイングを行い,突風にあおられて機体が墜落すればパイロットは4mの高さから固い地面に墜落することになる
設計的には機体にラジコンの受信機を乗せて,土嚢15㎏を乗せた機体をパイロットが操縦すれば非常にいい練習になるのではないかと思う
以上!