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第31回大会を振り返る ~ver.俺~

俺の主観で、今回の大会を振り返ってみようと思う。記録と感想。フライトに関する技術的な話はまた今度。かなりの長文になるけど、読みたい人はどうぞ。

by 三木貴文

俺や他のM2、それから安達にとっては現役最後の琵琶湖。だけど俺は、フライト終わるまでは特別な感情はなかったなあ。実感が全然なかった。

木曜

今年は道を間違えることなく順調に琵琶湖に到着。心配してた駐車場も、結婚式場のところが取れたからよかった。テントの配置は、場所が狭くていつもどおりの組み方ができなかったけど、結果論から言えば、今年の作業内容にはベストな配置だったかな。そして木曜中に翼の修復が完了!十分な睡眠時間が取れた。

金曜

0番周りを中心に作業。俺と三浦は9:00ごろ受付へ。ここで最初の認証ステッカーをゲット。それから昼までは安全審査に向けて0番周りの作業を進めた。

昼過ぎごろに大会の人が来て、何時ごろに完成するか聞かれた。突然聞かれてちょっと動揺して、14:00で大丈夫と答えた。するとその人から「そんな早くでいいんだ」といわれたからもうちょっと余裕見てもよかったかな・・・・・。これも結果的にはよかったんだけどね。

14:00過ぎてから安全審査の人が到着。平気で土足で入ろうとしてたから阻止。靴脱いでもらってから入ってもらった。それから翼の下にもぐりこまれたときとか機体壊されないかとヒヤヒヤしてたけど、ギリギリ大丈夫だった。一回、本気で危ないのがあったけどね。肝心の安全審査は・・・・・一発合格!何もなくても絶対一箇所はイチャモンつけられると思ってたから、これには驚き。そしてめちゃうれしかった。去年指摘されたことをちゃんとやってきたしね。努力したことが報われたね。

それから、チェック中に審査の人が「完成度が高い」を連発してたときは心の中でガッツポーズだったね。外の人にほめられるとうれしいもんだ。それから、俺たちは今大会の安全審査通過第一号だったらしいよ?

安全審査後は気がラクになって作業再開。0番周りを一旦ばらして再調整。そして俺と三浦は17:00ごろに合同ミーティングへ。桟橋前で説明聞いた後、プラホに上がった。プラットホームってこんなに小さかったっけとか、こんなに斜面がなだらかだったっけとか思ってた。いつもなら逆の感想を抱くのに。練習場所が広くて割と傾斜がきつかったからかな?

正直、このときプラホに上がったときはかなり緊張してた。ドキドキですよ。前日に上っといてよかったなーとか思いつつ、三浦とプラホの助走距離をチェック。このとき、致命的な失態を再確認してしまった。

それは、ルールブックに「助走距離は10m以内」と書かれていたこと。そんなことが書いてあることを知らず、乗り込み練習は助走距離11mで練習してた。チェックが甘かった・・・・・。猛省すべきところですな。今大会で俺が猛省すべき点その一。このことはプラホに上がるちょっと前に知ったんだけど、このルールが形式的なものであることを祈りながらプラホに上った。・・・・が、係の人にさりげなく(?)確認したところ、やっぱりダメ・・・・。三浦と二人でどうしようどうしようと言いながらテントへ帰る。結論は、「一歩目を刻んで(短くとって)いつもどおり8歩で。」ぶっつけ本番要素を抱えてしまった。

テントに帰ると、マナーリーダーやってた林&長野が帰ってきてた。二人とも疲れ果ててた。お疲れさんです。どうやら1時間以上清掃活動してたらしい。一緒にハマハマ枠で同行してた、あ○わさんの話によると、ウチの二人は少しサボり気味だったらしいが・・・・。

夜に全員がそろった。でも0番周り以外にはやることがないので下の学年の子らは寝かせることに。そして肝心の0番周りではサーボのノイズ?が再発。苦しんでたけどミックスと毛利のタッグで解決。電装系に毛利がかかわるようになったのはホントによかったなあ・・・・。

0番周りの作業をする人とM2を残して俺は寝ることに。いつもなら俺も残っちまうところだけど、フライト当日に備えて寝ることを決断。他のM2に場を任せた。結局残ったメンバーは起床時間30分前の4:30まで作業してたらしい。ホントにお疲れさんです。今年は毛利とミックスにはホントに負担かけちまったなあ・・・・。

土曜

5:00起床。テントに行ってみると完成した0番周りが。・・・・・美しい。中身とかをチェックしてメシを食うことに。あの0番周りを見たときはよくやった!って思ったね。
最後にプラットホームシミュレーション(といっても実際にやったのは桟橋の上でだけど)をしてからテント移動&機体最終組み立てへ。接合翼なしっていいね~。すぐに翼が組めちまう。窓のフィルムの張り方にはもうちょっと工夫があってもいいかなとは思うけど。割と短い時間(例年に比べてね)で機体が完成!自分たちのテント前で完成できるなんて、すばらしいじゃありませんか。いつもなら移動しながら作業してたなあ・・・・。
そしてプラットホームに向けて移動開始。たどり着くまでにかなりの時間を過したはずだけど、俺には短く感じられた。そしてテンパってたわけじゃなく、冷静だった。こんなに冷静にフライトを迎えられるなんて、と思いつつ。それから桟橋手前でエロさんの提案により声だしをすることに。こんなことができたのは、俺たちのチーム状態や作業の進行状況がよかったからだろう。

それから、桟橋の手前で係の人に、「プラットホームに上がれる人数はパイロット込みで13人まで」と言われてしまった。15人を予定してたから二人下ろさないといけない・・・・。苦渋の決断だったけど、倉本&安田を下に回すことに。二人には本当に申し訳なかった。二人とも上に上がるだけの十分な働きをしてくれてたのに・・・・。
そして桟橋→プラットホームへ。何でこんなに冷静なんだ。例年ならそわそわしてくるのに。

桟橋途中で尾翼の電源入れてセッティング。・・・・・完璧!これでプラホ上での作業はほぼゼロ。

プラットホーム上に機体を上げ、定位置へ。カメラがやたらフタに注目してるから、撮影中はずっと機体を上げっぱなし。真ん中のミックスが辛そうだった。その間俺は、佐々木さんのアドバイスを受けてた。OBさんたちには評判悪いけど、いい人だと思った。プラホ上の風の状況、500m先の風の状況、そしてそれを踏まえて発進時のアドバイスをくれた。ゆっくり穏やかにしゃべってたのは、俺たち出場チームを落ち着かせるためだったんだろうか。俺は落ち着いてたけど。

プラホ上の風の状況は刻一刻と変わっていった。俺たちの前に飛んだ鳥科のときは、9時の方向くらいから2m/s程度の横風が吹いてた。こりゃあよくねえな~とか思ってたら、俺たちが上がったときには11時の方向1m/s程度に。そしてフタ周りの撮影が終わって、いざ飛ばそうって思ったときには、真正面0時の方向から1m/s程度になってた。なんて運がいい!と思いつつ、最後のGOサインを。そしてすぐに三浦の掛け声が。

「行きまーす!」
「はい!」
「2・1・GO!!」

完璧な乗り込みの後、機体は一度機首を下げる。去年の光景が一瞬頭の中に浮かんでヒヤッとしたけど、すぐに機首上げに。このとき今度はストールが頭に浮かんでヒヤッとしたけど(どれだけ負け癖がついてたんだ、俺)、機体はそのまままっすぐにキレイに飛んでいった・・・・。みんなガッツポーズで口々にいろいろ叫んでたな・・。あの光景が見れてホントによかったと思うよ。・・・・途中で右脚が閉じてないことに気づいてみんなクスクス笑ってたけどね。

最後にフレア打って着水。けどそのときは180mくらいかな、と思ってたから、飛んだことはうれしいけど、同時にめちゃくちゃ悔しいなって思ってた。だから、そのときもまだ、冷静だった。

けど、記録発表のあとに、みんなから後ろから飛びつかれたときには泣けてきちまった。こいつらとここにこれて、この結末を迎えられてよかったなと心から思った。
ちなみに、着水時のミックスのリアクションは例年となんら変わりなかったな。
俺たちの機体、QX-07RecodBreakerは、学生新記録をとることはできなかったけれど、チーム新記録をのこしてそのフライトを終えた。

それから桟橋降りて機体回収場へ。途中、橋から解体中のウチの機体が見れた。キレイだった。他のメンバーが行った後も一人でしばらく見てた。
いつもは悲しみの中自分たちの機体壊して回収してるけど、今年は違う。うれしいことだと思った。

そして下に残ったメンバーやOB・OGの皆さんに会うとまた、うれしさがこみ上げてきた。やっと非対称機を飛ばすことができたんだなと。
誰だったか、OBさんに「まっすぐ飛んだねー」と言われたときに、ハッとした。そういえば・・・・・左右の重心位置調整してねえ!

完全に忘れてました。朝に翼端に調整用錘入れるつもりだったんだけど・・・・。俺の猛省すべき点その二。(実は、フライト中に三浦が違和感を感じて左右方向の重心移動してたらしい。なんてやつだ・・・・・。)

夜は打ち上げ。珍しく結構飲んじまった。シャンパンのコルクをぶちかましてすいません。俺の猛省すべき点その三。コルクを飛ばすもんだと思ってたんだよ・・・・・。三浦も先に撃とうとしてたし・・・・・。

それから、初めて白桃が心の底からかわいそうだと思った。

これで俺や他のM2、そして安達の物語はおしまい。6年間、あっという間だった気がする。ずっと非対称機に挑戦してきて、やっとマトモに飛ばすことができた。これはほんとうにうれしいことだった。

けど、
ずっと前からの夢だった学生新記録をとることができなかった。ちゃんと飛んでくれたことはすごくうれしいけど、それは半分で、あとの半分には悔しさが残る。それが今の正直な気持ち。

現役のみんな

いままで本当にありがとう。そしてこれからもがんばってくれ。今年は定常飛行を達成できたけど、これはゴールじゃあない。俺が最後まで達成できなかった夢、学生新記録の更新を、君らにはぜひ成し遂げてもらいたい。いろいろと迷惑かけてきた俺だけど、俺から何か学ぶ点(もちろん反面も)を感じ取ってくれたら幸いです。俺はここでオシマイだけど、君らにはまだ次がある。これからもたのしくやっていってください。

OB・OGの皆さん

多大なご支援、本当にありがとうございました。ついに左右非対称機をちゃんと飛ばすことができ、九大記録を更新することもできました。たまたま今年、これらを達成することができましたが、それは今まで皆さんがやってこられたことの積み重ねがあったからこそです。本当にありがとうございました。それから、新入りOBになる身として、これからもよろしくお願いいたします。

超長い文になっちまったな。まあとにかく、俺はここまで。とりやってて本当によかったなと思う。成功したこともそうだけど、やっぱり、みんなと会えたことが一番の喜びかな。今まで本当にありがとうございました。

まあ、まだたびたび会うことはあるだろうけど。

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