みなさん大会お疲れ様でした。
QX-16の代表を務めさせてもらいました樋口です。
毎年のことですが、日焼け止めを塗ったにも関わらず、腕時計焼けは残っていました。
ただいつもと違うのは、もうこのチームで活動することができないということ。
フェリーの帰り、大学生活の中で一番起きたくない朝を迎えました。
さて、思い出に浸る前にまずは今年の大会を振り返ってみましょう。
程々に長文ですので、テストが終わった後にゆっくり読んでくださいね。
●火曜日:積み込み
昨年に引き続き、正規の搬入(30分以内)を行うことになっていたため、M2を中心に積み方を工夫しました。レールの上に台車を乗せ、結束バンドで固定するというアイデアは非常によかった!石丸・河野ナイスです。これは実際金曜日に威力を発揮しました。
積み込みの方は、主翼の長さを測っていなかったために急きょ即席のダミースパーで対応するなどのイレギュラーがあったものの、比較的スムーズにできたのではないでしょうか。リストを事前に組みなおしていたのもよかったと思います。
●水曜日:フェリー組出発
午後2時ごろに上の駐車場にて集合、2時半ごろには出発しました。今年は集合写真の人数が少なかったのはちょっと寂しかった。車組は途中メンバーを拾って新門司港へ。トラックの車種が途中で変更になった?ため、受付で若干手間取りましたが、おおきなトラブルなくフェリーに乗り込みました。フェリー内では金曜日の人の動きを確認し、役割分担を決めました。
●木曜日:フェリー到着
朝7時ごろに神戸港到着。大津SAを経由して11時前には彦根アートホテルに到着(本来は12時から駐車場を使わせていただくことになっていましたが、ホテル側のご厚意でこの時間からトラックを停めました)。16時からチェックイン可だったので、いつものごとく彦根城で時間を潰すことに。
ひこにゃんの人気はすごかった。。。
20時ごろ、木曜新幹線組と合流し夕食をとりました。坂口君が遅れて到着だったため、少し時間をおいてホテルで打ち合わせ。事前に役割分担を決めておいたので短時間で終わらせることができました。後は電装関係が打ち合わせ、そして就寝。
●金曜日:前日準備
朝6時に起床、朝食を済ませ、6時半にはトラック・各車出発。7時過ぎには現地到着し、駐機場ではブルーシート・馬の準備を進めて機体搬入の準備を整えました。8時ほぼきっかりに選手受付が始まり、ここで設計チェック済みのシールGET!8時半にはトラック搬入開始、15分ほどですべての積み荷を降ろすことができましたね。これは早い!来年以降にも生かせるのではないでしょうか。
搬入後すぐに0胴を組み、電装・脚周りは作業を開始。その間にテントの設営を進め、主翼もアイロンがけに着手しました。途中で大会スタッフが“安全審査は15時に伺います”と教えてくれたので、そのあたりを目標に準備を進めていました・・・が、なんと安全審査のおっちゃん達が14時手前に出現。もうまわってきたの?と肝を冷やしていたら、ただ様子を見に来ただけだったようで、その場は自分と石丸で雑談して過ごしました。ただ、早めに準備は済ませようと主翼(右翼)の組み立ては完了し、カウル周りの準備を進めていたところ、予定より15分ほど早く審査がスタート。この時点で指摘された点は
①水平尾翼リンク棒のボルトの保護
②カウルの蓋機構のリンク棒のバリ取り
③もう片翼も組み立てること
④キャノピーの取り付け
の4点でした。特にカウル内の蓋機構については色々と気になるところがあったみたいですが、最終的にはリンク棒のやすりだけで済んだ模様。ただ今回ラッキーだったのは、オンボードカメラがほぼ同じタイミングで来てくれたこと。今年はカメラの仕様が変わっていたため、配置に若干の工夫が必要でした。レコーダーの位置が蓋と干渉するというトラブルもありましたが(事前に渡しておいた資料は何だったのか・・・)、オンボードは先に終わらせることができました。
そして17時ごろに再審査、ここは指摘されたことを、“ばっちりやりましたよ、何かほかに問題でも?”というやや高圧的な(?)姿勢で待っていると(石丸談)、あっさり審査合格。2枚目のシールGET!今年は夜遅くまでやきもきしながら待つことは避けられました。その後自分と坂口くんでプラホの見学へ行き、そのまま安全講習会へ。気になる気象予報については、ウェザーニューズの方から“明日は南東風がおおよそ4~5m/sと弱い風となっています”とのこと。おもいっきり背風だし全然弱い風じゃないよ?と会場はざわついていましたが、審判長の佐々木さんから、琵琶湖付近は日中陸地への風が強まるため、どちらかというと向かい風か、無風に近いのでは?とのこと。この予想通り、次の日はほとんどフォローの風が吹くことはありませんでした。
安全講習会を終え、僕と坂口君は一足先にご飯とお風呂へ。帰った後は新幹線後発組のお迎えを任せ、私は早々に寝床につきました。
●土曜日:鳥人間コンテスト滑空機部門
現役最後の朝。
・7:00起床
前日に朝8時起床といってましたが、隣のタイムトライアル機が早々に準備を始めたため、みんな7時過ぎには起きていたんじゃないかな。OBの方に7時半には朝ごはんが食べられるようお願いしました。8時には全体ミーティングを行い、大まかな流れと細かい注意点だけを伝えました。
・8:00~ 動作チェック・カウルフィレット調整
その後動作チェックを兼ねて翼持ち・テール持ちとパイロットの声かけ練習も行いつつ,移動に向けて準備を進めました。タイムトライアルの進みが予想以上に早かったため、フィレットの調整をしていたカウルさんには10時半をめどに準備を終わらせてくれと頼みました。
・10:30~ テント移動・トリム調整
縦のトリムを取り終わり、坂口君に水平線も引いてもらいました。その後すぐに主翼をつなぎ,横トリムを取り終えて主翼やカウルの残りの作業を進めてもらいました。この時点で11時過ぎだったと思います。このときもすでに暑かった。
・11:00 移動開始
滑空機部門はもうすでに始まっていましたが、最後のフライトだしまだ移動は先だろうと思っていたそのとき、スタッフからもうそろそろ移動準備を…と言われ、正直面食らいました。まだあと10チーム近く残っているし、桟橋のすぐ近くなのだからもう少し待ってくれても…案の定、移動を開始してから1時間半近くは待たされることに。その間、軽めの昼食を済ませて、犬塚さんに写真撮影をお願いしました。犬塚さん毎年本当にありがとうございます。その後は対岸付近に見える不気味な雲の行方を気にしていました。この時の風は11時方向からやや13時方向へ変わりつつありました。早く順番まわってきてくれ。
・13:30 転回場へ
13時半過ぎ、ようやく転回場へ。機体を慎重に運び、ここで主翼は蓋をすべて閉じましたね。そして徐々にプラットフォームへ近づいていく・・・と、オンボードカメラの再チェックがしたいとのこと。カウル班はしっかり対応してくれましたが、来年以降はこうしたことがないように望むばかりです(汗
・14:00
いよいよプラットフォームへ。風は相変わらず1時方向から2~3m/sで、機体は11時方向へ向けてセット。今考えたらラダーの機構がついていなかったし、今年の機体は垂直尾翼が小さかったとはいえ、いつもよりモーメントアームが長かったのだから、風方向に吸い込まれることは予想できたんじゃないかという思いもあります。
パイロットの準備が整い、電装のチェックが終わり、機体には翼持ちとテール持ちがスタンバイ。一瞬の静寂。
「風向1時、風速2m/s、クリアです!」
「行きます! 2,1、GO!!」
あとはご存知の通り。素晴らしいフライトでした。坂口君よくやったよ。ほんとに
<最後に、伝えたい事>
以上が今年の、QX-16の最後の道のりです。
今年度は、私の至らない部分が多く、本当に大変な1年になってしまったと思います。それでも、こうしてついてきてくれたみんなに、本当に感謝しています。・・・的なことを、飲み会の挨拶でしたような気がしますが、正直何を喋ったのかほとんど覚えていません。でも、だいたい話したいことは吐いてしまったと思います。
ただ一番伝えたい事があります。
「たった数年間しかないのだから、一生懸命、やればいいじゃない。」
終わってみて分かったことですが、この6年間は本当にあっという間に過ぎてしまいました。正直後悔もたくさんあります。なのでみんなもせっかく、自分で選んで鳥人間をやっているのだから、どのような形であれ、一生懸命鳥人間のことを考えてみてはどうでしょうか。こういうことにチャレンジしたいとか、記録を出すためにはどうしたらいいとか、作業を効率よくするためにはこうしたらいいんじゃないかとか、そういう自分なりにやりたいことを見つけてほしいのです。そしてそれは、すぐ行動に移してほしいのです。思い立ったが吉日、です。でないと、時間はあっという間に過ぎていきます。
そして、どんな些細なことでもいいので、自分なりの“こだわり”を見つけてみてください。例えば、リブは尻尾まできれいに作るとか、発泡の肉抜きは1gでも軽く作ってやるとか。もちろん時間とのトレードオフはありますし、全体のバランスを意識するのも大事です。でもそういうところが結局は機体の良し悪しにも効いてくるのではないか。私自身そう思うようになりました。イチローの言葉を借りれば、“無駄なことも、結局は無駄じゃない”のです。
一生懸命やっていれば、おのずと色々な課題が見えてきて、アイデアも出てくることでしょう。それが、鳥人間の一番の醍醐味だと思います。ぜひ、全力で悩んで、一生懸命楽しんでください!
最後に、ここまで6年間ともに過ごしてきた同期のみんなにまずお礼を言いたいです。みんながいてくれたから、ここまで続けることができたし、鳥人間やっててよかったと心から思えました。最高の同期であり、尊敬する友人たちです。本当にありがとう。そして、この先も、みんなとバカなことやりたい!笑
そして、こんな頼りない代表のもとでも、最後までついてきてくれたM1のみんな、これから先も大変なことが待ち受けているかもしれないけど、君たちならきっと乗り越えていけると信じてます。後は託した!
そしてここまでチームを支えてくれたOB・OGの皆さまにこの場を借りて改めてお礼申し上げます。これからも、九州大学鳥人間チームをよろしくお願いします。
また来年、琵琶湖でみんなに会えるのを、楽しみにしています
それでは!
完