この記事では、焼きのなかでも、積層について説明していくよ!
■目次
■1.準備
■2.積層
■3.焼き
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■焼き・2.積層 コンテンツ
2-1.積層する下の層の、ほこりなどを払う
2-2.楕円の角度の基準となる短軸(または長軸)を出す
2-3.発注表指定の角度のプリプレグを準備
2-4.プリプレグを、楕円に貼り付ける
2-5.ピンクフィルムをはがし、貼り合わせのチェック
2-6.離型布を巻く
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さて、1年でもっとも楽しい作業の始まりですね。
いわゆる黒い恋人とのクリスマスの過ごし方☆(ゝω・)です。
今年は予定を前倒ししているので、クリスマス連休の過ごし方でもなんでもありませんが。
基本的な作業内容はリブ材・後縁材焼きのときと同様、
発注表に従って、プリプレグを積層していきます!
・0胴での積層?
今回の焼きでは、リブ材・後縁材焼きの時とは異なり、楕円に対して積層を行います。
こんな感じ!
どんなことに気をつけて積層すれば良いかというと、つまりは
プリプレグを、空気・しわのないように貼りあわせて行けば大丈夫
はい。
もう少し具体的に、順を追って見て行きましょう。
1層目の場合は、離型フィルム、それ以降の場合はプリプレグにほこりなどが
付着しないように、気をつけましょう。
積層の際の3大混入脅威は、次の通り。
(1)髪の毛(○○○さん)
(2)ピンクフィルム
(3)空気(後述)
みんなで頑張って混入しないように注意しましょう。
これら脅威の混入の発覚が遅れると大惨事となります(´;ω;`)
具体的には、短軸(または長軸)を床に対して垂直にすることです。
積層するプリプレグの位置を、誤らないようにするためにします!
楕円の両端から短軸の位置を確認して、楕円をまっすぐセットしましょう。
プリプレグを冷凍庫から出し、基準の短軸に積層位置を合わせます。
ここでポイント!
・ふまないでね。
・プリプレグは熱に弱いので、プリプレグをもつ人は手の温度が低い人が良い…です
・剥離紙がついた状態のプリプレグを、できるだけ楕円の上を通さないようにしましょう
白い剥離紙にも、ほこりがついています。
貼り付けるプリプレグの繊維方向に空気を抜きながら、手の温度で温めながら
プリプレグを貼り付けます。
ここで、プリプレグをきれいに貼り付けるポイント!
・空気は、繊維方向になでながら抜くのが基本です
・貼り合わせる区間の、貼り合わせる速度はできるだけ揃えましょう。
または、その速度の変化がなだらかになるように。
貼り付け区間の急な段差は(特に30~90°層において)繊維が開きやすく、
しわを作る要因となってしまいます
・ピンクフィルムがついたままの方が、基本的には貼りやすいです
(繊維が広がりにくいため)
(マイナス°層ではピンクフィルムを剥がすので、貼り合わせの速度は少しずつ!)
積層の際、同じ繊維方向同士のプリプレグの重ね代は、5~10mmを目標にします。
そのため、重ね代が大きくなる場合ははさみで切り落とします。
鳥で武器でなくはさみが活躍する、数少ない作業ですね。
プリプレグがはさみで切りにくいって?
それはもう、はさみを変えるか慣れるしかないのです。
だって、先輩方誰に聞いても好みの切り方は違います。
プリプレグの貼り付けが終わったら、ピンクフィルムを剥がしてチェック!します。
ピンクフィルムは一見きれいに剥がれるように見えますが、プリプレグの切断面に
小さな破片が残っていることが多いので、要注意です(脅威:2)
ピンクフィルムを剥がした後は、さらに念入りに、プリプレグを貼り付けましょう。
楕円のつなぎ目、下層のプリプレグの重なり代が分かるように、丁寧に
貼り付けます。
このときに、プリプレグとプリプレグの間に空気が入っていれば、武器を使って
空気を抜いていきます(脅威:3)
あまり大きな空気を入れてしまうと、空気を抜いたときに大きなしわになります。
だからあれほど空気を入れないように丁寧にと…
プリプレグを丁寧に貼りあわせていくと、下層の形がよく分かるようになります。
そして、うっかり髪の毛が混入していると、明らかに不思議なしわとして浮き上がります。
空気を抜くよりもさらに大変な手術が必要になりますので、直ちに上の人を呼びましょう。
場合によっては大惨事です。どうしてこうなった。(脅威:1)
その他の注意点としては、
・第1層目の場合は、下の層がバギングフィルム(復習:絶対に穴をあけてはならない)
なので、武器の取り扱いには十分に注意しましょう。
・手の温かい人は、積層する上でとても大切な戦力ですが、うっかりプリプレグ同士が
間違ってくっついてしまうことに注意しましょう。
はがれなくなりますよ。
・服に積層してしまうことにも注意しましょう。
新たなおしゃれとして言い張るも…よし…
積層では基本的に1~5の作業を繰り返し行なってプリプレグを重ねていきます!
プリプレグを積層した後、その周りに離型布を、巻いていきます。
今は、はがしやすくするために、写真より細長い形の布を使っていますね。
なぜ楕円側は離型「フィルム」を使うのに、外側には離型「布」を使うのか?ですが、
これは、離型布の外側に巻くふとんが、プリプレグの余分なエポキシ樹脂を
吸着できるようにする必要があるためです。
離型布は、プリプレグとふとんを剥がしやすくするために使われているんですね。
(ふとんとは?これは、次の焼きのところで見ていきます)
ポイントは以下のとおり。
・離型布を当てたら、手の熱でプリプレグに貼り付け、ずれないようにしましょう。
(この後の作業でずれにくくするためです)
・スパー中心に向かう布を、上側に重ねるようにしましょう。
(最後に、離型布をはがしやすくするためです)
・ガムテープは、粘着面が白くない製品のものを使いましょう。
(両面テープと同じ会社のがおすすめ?)
(白い製品のものは、焼き上がり後に粘着の跡が残るようです)
・銀テープ付近には、離型布を重ねないようにしましょう。
(要出典。銀テープが剥がれるのは困ります)
ちなみに例年、この外側の巻き材を剥がすために、布が使われています。
普段みんなが見慣れているスパーの表面は、この布の形が出ているからですね。
■特例:Case1
ある年(QX-12)、離型布が足りなかった年がありました。
この年は、布を使わずに離型フィルムに穴を開けて代用すると、スパーは
このようなことに。
とぅるっとぅるでした!!
■特例:Case2
またある年(QX-13, QX-14)、離型布がその後の作業で少し剥がれたままに
してしまった結果、このようなことになりました。
ああ…ふさふさになってしまって…(´;ω;`)。
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以上が、焼きに入るまでの、「積層」工程です。
続きの「焼き」は、場所を移して行われます。
注意して運びましょう!
つづく。
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