Close

鳥人間コンテスト2025を振り返ってver.原

 QX-25カウル班長の原です。テスト→琵琶湖→テストの怒涛の半月が終わり、ようやく夏休みが始まったので振り返りを書きます。かなりお気持ちメインです。

1年間の振り返り

 私はQX-24の本番一か月前くらいの時期に、先輩から班長をしないかと声をかけられました。その時期の自分は先輩からの招集によりやっと作業場に行く機会が増え始めた頃でした。といっても週に2回程度だったと思います。まだ機体を一年通して作ったことがない上に、サークルに行っていない期間もあってカウルの作業も全体作業もあまり知らなかったので、少しも自信がなかったです。ただ先輩も同期もいて心強いし、別に断る理由もないかなと思って班長をやってみることにしました。

QX-25が始まり、年内は焼き等の全体作業と並行してゆるりと試作をしていました。キャノピーのバキュームフォーム成形に挑戦しましたが加熱不足と出力不足できれいな成形を見ることはできませんでした。今年のスケジュール次第ですが再度挑戦してみてもいいかもな、とも思います(スケジュールは次の班長に任せてますが)。発泡倍率の変更も試作でやってみました。実際本番機に使ったのは主翼フィレットの2/3ブロックのみでしたが、わずかに軽量化することができ、カウル全体でも設計値の重量に合わせられたのでよかったです。同期と話し合いながら主体的にする試作は結構楽しかったです。

春休みが始まったころから本番機の製作が始まりました。経験も知識も乏しく、人をまとめる役も不慣れで班長としてはずっと自信のない日々でした。ただ、周りが作業に積極的に来てくれたり一緒に計画を立ててくれたりしたおかげで少しずつ自信もつき、順調に製作を進めることができたと思います。特に前班長の川平さん、班長代が終わってからも頻繁に作業に来て下さり、手探り状態の私たちのことをたくさん気にかけて下さって本当に心強かったです。言い表せないくらい感謝しています。カウル班をはじめ、同期にもたくさん助けられました。班に同期が2人もいたので自分が何かを抱え込むようなこともなく、楽しく頑張れたと思います。同じく班長をしていた同期2人は私よりもずっとしっかりしていて淡々と役目を果たしていて、色々なところで助けてくれて、すごいなあ、と感心しながら自分は自分なりに周りを頼り尽くした1年間でした。

作業としては、今年からカウル班の人数がかなり増えた(B3×3、B2×2)こともあり、スケジュールに余裕をもって行えていました。ただ、私たちの知識、経験不足から製作手順を間違えてやり直したり、うっかり穴が開いてしまって無理やり埋めたり、無理矢理な部分が多くなってしまったのは少し心残りです。キャノピーももう少しきれいに作りたかったです。製作の引継ぎ資料書こうと思っています。

琵琶湖の振り返り

 全体の動きは他の方々が書いてくださっているのでカウルの動き中心で琵琶湖を振り返ります。

 積み下ろし、テント張りが終わり、0胴を組み始めました。電装と尾翼が先に組み、一度足蓋の動確をしてからカウルの各パーツの固定を始めました。胴体、しっぽ、胴体フィレット、主翼フィレットの後縁をエポで固定し、キャノピーは養生で仮固定しました。自分が思っていた以上にこの一連の流れに時間がかかりました。例年より胴体フィレット付近の隙間が多くてガラスクロスを詰める場所が多かったのも原因かと思います。カウルの準備が済んだらオンボードのスタッフさんを呼ぶことになっていたので代表に13:30までに終わらせると言ったのですが、何度も遅らせてもらい結局15時前までかかりました。代表のまだかなあ、って感じの視線に耐えながらなんとか終わらせました。遅くてごめんなさい。その後しばらく待ってから機体審査を受けました。今回の指摘はさすまた部の緩衝材のことだけで蓋回りなど何も言われなくて安心しました。その後オンボードの取り付けが終わり、キャノピーと前縁フィレットを固定しました。カウルの固定が一通り終わると脚蓋電装をして、問題ないことを確認してその日の作業は終わりでした。思った以上にカウルは大会前日にやることが多くて疲れました。要領が悪くて他班を待たせる機会が多く申し訳なかったです。ただ問題なくカウル組めたし、途中の足蓋電装もずっと順調だったので、安心してごはんとお風呂に行けました。女子みんなでまとめてもらって時間制限も特になかったので快適でした。琵琶湖でこんなゆっくりできる機会ないからと先輩方に言われたので温泉を楽しんで髪もしっかり乾かしてから帰りました。今年は湖岸が涼しかったので4時間くらい熟睡し、3時の脚蓋電装試験に少し遅刻して焦りました。

 朝の脚蓋電装も問題なく、安心して機体を動かし始めました。カウルとしては当日することはそんなになく、ずっとキャノピー付近について移動し、途中で審査のシールを貼ったりオンボードの台座を貼り直したりしていました。翼がついてからの脚蓋電装も上手くいって安心でした。展開場でオンボードカメラの不具合があり、ごちゃごちゃしましたが読売側の問題ということで移動も止めてくれていたので焦ることもなかったと思います。  

展開場に差し掛かるくらいから緊張で足が震え始めました。別にプラホ上で何をするわけでもなかったのですが、カウルの頭落ちないかな、本体割れないよね、など変にいろんなことを心配しながらプラホにのぼりました。プラホでは蓋のトルクが入っていることを確認し、カウル表面を少し拭いて割と早くに応援席の方に行きました。このあたりは終始どきどきしていてあまり覚えていませんが、無事蓋が閉まり、きれいなカウルが飛んでいる姿を見て安心したのか涙が出ました。自分は空力的なことはあまりわからず去年と比べてどうとかもあまりわからなかったのですがとにかく飛んでるところを見れて嬉しくて、ひたすら応援していました。フライト後の感情としては何よりも安心が大きかったと思います。

 QX-26では私は班長代になります。ただ、班長の役は同期にバトンタッチをして自分はカウルの設計をすることになっています。航空や機械の方々と比べて設計に関して無知ではありますが、班長として製作をする中で、ただ作るのも楽しいけど機体のことをもっと知ればもっと楽しいんだろうと思う機会が多く、もう少し空力的なことわかっておきたいな、と思ってカウル設計をやってみようと思いました。先輩がカウル設計のコードを整理してくれて手順としては簡単になったそうなので、積極的にCFD解析を回してみたいなと思っています。もちろん班長代として作業も積極的に参加します。今年1年支えてくれた同期や後輩たちと、またもう1年協力して頑張っていきたいと思っています!

Leave a Reply

Your email address will not be published. Required fields are marked *