QX-26で構造設計と脚班班長を務めました伊藤晴太郎です。ちょうど先ほど琵琶湖から帰ってきてこれを書いています。忘れないうちに、振り返りと思いを残します。時系列は軽く触れ、気持ちや思いをメインに書きます。
7/25土曜
7時30分過ぎに湖岸に着いて、荷物の積み降ろしを始めた。その後トラックの荷下ろし場の状況確認をした。今年は駐機場から積み降ろし場が近く、積み降ろしは非常にスムーズだった。積み降ろし場は、場所とトラックの右ウィングが開けれるかどうかしか見ておらず、足場の状況は見ていなかった。来年以降のチェックは足場も見るとよさそう。積み下ろしを終えた後テントの設営をした。このとき想定外だったのはトラ紐が足りなかったこと。テント練では3はりを立ててそれに必要なトラ紐を用意した。が、実際に使ったテントは4はり。それは足りないわけだ。幸い予備で長いロール状のトラ紐を持ってきていたのでそれを切って使った。来年以降は当日何はり借りるか把握したうえでトラ紐を用意しよう。その後脚の動確をし、サーボを交換した。これは予備サーボの角度出しをしていなかったことによるもので、サーボを交換&角度出しすることですべてのサーボに対して角度出ししたことになる。こう考えて交換した。しかしサーボによる個体差が大きく、用意していた本番用ワイヤー一本が使えなくなってしまった。予備ワイヤーを使うことで解決。日曜の朝プラスでワイヤーを作ることになる。その後はカウルの取り付け。14時過ぎに連絡していないが安全審査が来た。脚はかなりごつくなったが、特には言われなかった。さすまたまわりの保護は言われた。オンボード、緩衝材つけたらまた呼んでと言われた(確か)。オンボード待機中、なんとここでオンボード取り付けおよび安全審査は、翌日朝行うとの連絡があった。これは完全に想定外。もっと早くオンボードとかを呼んで済ませておくべきだったと反省している。これは僕に責任がある。本当に申し訳ない。そのあとは脚蓋電装試験。ここで左脚の磁石が一つ外れた。クリスタルテープでぐるぐる巻きの刑にした。見た目を無視すれば正直ガムテープとかでもよい。今年は特に磁石がネオジム磁石で強力だったこともあり、磁石の取り付けに苦戦した。要改善。脚蓋電装試験を済ませた後、お風呂と飯行って就寝。
7/26 日曜
朝は4時過ぎに起きて、脚短縮のワイヤーの予備を作っていた。これは前日にサーボモーターを変えたことによる影響。久しぶりといえば久しぶりでちょっと手間取りはしたが無事完成した。ワイヤーの長さ調整の感覚は残っていた。当日サーボを変えるのは本当によろしくない。逆に言えばもし本当にサーボにトラブルが出て交換するってなったときのシミュレーションにはなったんじゃないかと思っている。こういうことがもしものときは起こるということが身に染みてわかった。これは一つ収穫ではないかなと思う。来年以降これを活かそう。
そんなこんなで脚蓋電装試験。左脚の磁石つかず。フィレット本固定時にずれたものと思われる。今年は脚側に小さいネオジム磁石二つ、フィレット側に大きめのネオジム磁石を一つつけていた。この配置があまりよくなかったんかな。大きい磁石の磁力の分布が思ったより大きかった。磁石の大きさはそろえたほうがよさそう。磁石に位置がそれなりにずれてしまっていたので、磁石に確実につけることはあきらめ、格納ばねをさらにきつく締めてばねだけでほぼ水平まで持ってこれるようにした。これは来年要改善ですね。あそこまで重いとキャッチング機構のほうがいいんかな(過去にはあったはず)。
オンボード取り付け中はできることがあまりなかったので日陰で休んでいた。安全審査ではやはりさすまた回りの保護を指摘された。銀マット巻いて再度チェックをもらい合格。滑空の飛ばすテンポが速かった。なんとか風が弱いうちに飛ばそうとしてくれていた。事務局に感謝。平らなところに移ったところでトリムをとった。今年は脚班のB2角田に任せた。無事終了。その後機体を移動させながら、脚のチェックをひたすた行った。プラホが近づくにつれ緊張感が高まるが、去年の経験もあってか冷静に動けていたと思う。チェック中クリスタルで止めていた磁石がテープを突き破ってとれた。うそでしょ。もう一回ぐるぐる巻きの刑。脚班に磁石のことについて周知した。これも来年以降要改善ですね。
一年を振り返って
今年は自分のやりたいことをいろいろできた。最初は転がり抵抗コンテストから始まった。これはうちは3人で機体を押しているにも関わらず他チーム(特に高翼)と比べて発進速度が遅いという課題から始まった。最初は数日で終わると思っていたが、なかなか手ごわく、1か月かかった。実験方法を確立するのに時間がかかった。転がり抵抗係数はタイヤにかかる垂直抗力に依存するため、台車に載せる重りの量を変えながら実験した。どうにかタイヤにかかる垂直抗力もっと増やして実験したらどうなるか気になる。ちなみに新しく買った台車のキャスターがなかなかいい記録出しそうで、すごい気になってる。同じキャスターも単体で売ってた。もし後輩が特にやらなければやってみようかな。今年のタイヤはこのコンテストで最も優秀だったものにした。のちに自分の首を絞めることになるとは知らずに・・・
そのほかには、3dプリンターおよびCFRPの試験片を作っていろいろした。3dプリンターの試験片では、たわみ・破壊試験をした。フィラメントの積層方向を0度方向と90度方向のものを作り、それぞれで曲げ試験をした。90度方向は予想通りフィラメントの方向に沿って破断した。0度方向に関してはフィラメント自体の座屈で荷重を持てなくなった。これは予想外。これもなんらかの形でまとめようかな。この試験は完全に僕の興味。たわみについても従来のレーザーで測定する手法に加え、動画を撮りある同一点のピクセル数からたわみを求める方法を導入した。これは同期の山口の提案によるもので、うまく設定してやればレーザーよりも精度よく測定できる。これもまとめたほうがいいか。CFRP試験片についても曲げ試験でたわみを図った。今まで使っていたプリプレグが廃版になったとのことで、新しい品番になったことがきっかけだ。選定にあたっては、機体作成の途中だったので今までとなるべく近いもの(厚さや樹脂含有率)を選んだ。脚を焼く前に何か試しに焼きたいと思って試験片を焼いた。どうせなら積層構成変えて複数作って比較してみようと思い、対称⇔非対称、疑似等方性⇔非疑似等方性の4通りの組み合わせを作ってみた。これについてもまたまとめます。やっぱ古典積層理論面白い。
ここからは機体制作に関する話。構造設計については25で脚の設計をしたので古典積層理論についてはある程度勉強していたのでスムーズに設計に入れたと思う。今年行った焼きは、リブ材・後縁材、胴体、2番、さすまただ。なんといってもハイライトはさすまた焼きだろう。25で失敗していたこともあり、設計は25の成功したものからあまり変えていない。森さんに設計の資料をもらい、型紙作成を進めた。ここまではよかった。いざ横桁を加工するというとき、僕はなぜか左右の横桁に対して同じ型紙を使った。実際は左右横桁の型紙は鏡像の関係なのに。いくら加工しても、上桁と横桁が合わず、型紙を間違えていたことが発覚した。本当に申し訳ございませんでした。これを受け、やり直すことが決定し本当のクリスマス焼きをした(クリスマスの夜は温度管理だった)。年明けには伊都にいるメンバーに桁を焼いてもらった。本当に感謝。今度は間違えのないよう、何度も確認し加工した。焼き当日(1月第二週)は、気温数℃、風ビュービューだった。体感温度は1m/sで1℃落ちるといわれているので、当日の体感気温は氷点下を下回っていただろう。凍え死ぬかと思った。間違いなく過去一しんどかった。
春休み一発目は桁荷重試験。あれは何回見ても慣れない。ずっと緊張してた。同期と無事クリアしてくれてよかった。構造設計の仕事のあとは脚設計の仕事。春休みに入る少し前から脚マウントの制作に入った。今年の脚マウントはコの字にかかる力等を考えた結果、少し大きくなってしまった。カウル班の皆さん、特にカウル設計ごめんなさい。取り付けもなかなか難航した。桁に合わせてバルサをやするのだが、型紙を設計値ドンピシャで作ってしまったので、パテやバブルスを入れる隙間がないし、そもそも桁の外形にあっていない。しょうがないので地道にやすりながら桁に合わせていった。きれいにまとめようとしすぎて、かなり時間がかかってしまい、バイト終わりの五瀬を呼び戻してしまった。あのときはごめんなさい。その日は中講義室に泊まり、翌日朝5時くらいから再開した。影島さんも来てくださり、なんとか終えた。精度は全くだった。もっと取り付け方法考えなきゃね。脚マウントの積層は僕の大好物。多分積層で一番楽しいのは脚マウントだと思う。このときはバギングの作成を他班の方々に手伝っていただいた。感謝。無事焼き上げることができた。
CFRP試験片焼きを踏まえて脚焼き。今年から離型剤を新品にした。新品の離型剤に威力はすさまじく、規定回数塗ると、一層目が全く張り付かなった。一層目であんなに体力を消耗したのは初めてだ。前代未聞の一層目で休憩を入れることになった。なにはともあれ最終的には無事に焼きあがったのでよかった。今年の脚のたわみ試験では、理論値と実測値がほぼ一致した。あのグラフを見たときは、興奮した。ここまで一致するとは思っていなかったのでうれしかった。
脚焼き後は加工したり、アルミのパーツ作ったりなかなか忙しかった。個々に作ったパーツを一つに組み合わせると、今までただのアルミのパーツや黒い棒だったのが脚になる。この瞬間がたまらなく好きだ。
脚の短縮・格納はタイヤ巨大化による重量増により、例年と同じではうまくいかず試行錯誤した。この試行錯誤は楽しかった。このあたりからこのタイヤを選んだ自分を恨みだす。重いから短縮ゴム強くしないといけないけど強くしすぎると短縮ピン抜けないし、格納ばねもちょうどいいもの探さないといけないし。最終的には解決できたが、来年以降このタイヤ使うなら軽量化に対する取り組みは必須(やってくれそうだけど)。
ここまで今年やったことを殴り書きしたが、今年一年で大事にしていたことは「手を動かすこと」、そして「楽しむこと」。頭で考えることも大事だが、実際に手を動かしてモデル作ったり、実物作ったりすることも大事だと思う。実際に手を動かしてみないとわからないこともあるし、手を動かすことでアイデアが生まれることもある。そして「楽しむこと」は本当に大事だと思っている。自分はこの一年間楽しんだ自信がある。機体の設計・制作はもちろん転がり抵抗コンテスト、試作、試験片作成、すべて楽しんだ。周りに伝わっているかはわからないが、脚班の後輩には伝わっていたらうれしいな。この一年本当に楽しかった。充実した一年だった。それは先輩方、同期、後輩のおかげ。
本当にありがとうございました!!!!
以下先輩方・後輩・同期へのメッセージです。
先輩方へ
この二年間本当にありがとうございました!先輩方の支えなしではここまでこれませんでした。感謝してもしきれないです。本当に心強かったです。何度DMを送ったことか、何度作業を手伝っていただいたことか。特に25はやったことがない作業ばかりだったので大城さんに聞きまくりました。影島さんと一緒にやった転がり抵抗コンテスト、楽しかったし面白かったし、いい思い出です。なんとか2年間走り抜けることができました。先輩方にサポートしてもらったように、今度は僕がサポートできるように頑張ります。しんどいこともたくさんありましたが、この二年間本当に楽しかったです!
後輩へ
今まで本当にありがとうございました!いよいよ伊藤政権も終了です。丸林・五瀬政権、ぜひ楽しんで作業して下さい!僕は楽しんだし、楽しかった。あの車輪を使うとしたら改善点ありまくりなので頑張ってください。すでに試作案は出てるし、いろいろ話も進んでいそうなので心配はしていないです。
ぜひ自分たちの代を送ってください!できる限りサポートします。試作とか面白そうなことやるときはぜひ混ぜてください。キャスター周りの試作・改善は難しいと思いますが、その分絶対楽しいと思います。班長代の二人はせっかく二人いるんだから、活発に議論してください。自分の中で思っていること・考えていることがあったらぼんやりでもいいので口に出してみてください。3人寄れば文殊の知恵と言葉があるように複数人で議論すると意外と解決します。26代でそれをすごい感じました。俺はよく山口と議論してたし、それが楽しかった(鳥人間のことに限らず)。
同期へ
最高のメンバーでした!いろいろ迷惑かけてすいませんでした。いくつかハイライトはありましたが、みんなと一緒だったからこそ乗り越えられました。すべてが今となってはいい思い出です。特に脚蓋電装のメンバーは2年間も、ともに班長代を過ごしました。この経験は通常ではできなかったものだと思います。今年は脚がご迷惑をおかけしました。あの試行錯誤も含めて楽しかったです。本当にありがとう!
最後に
この二年間本当に楽しかったです!あとは後輩へ任せます。僕は戦うフィールドを変えて今までとは違う、新しいことを始めるつもりです。鳥人間での経験も活きるはず。もちろん今まであまりやったことのない分野なので大変なことが多いでしょうが、「楽しむこと」を忘れず頑張ります。もちろん後輩のサポートはします。鳥人間最高!!